執筆:仲和成
確定拠出年金制度について・その1ー日本の年金制度【執筆:仲和成】
2020年8月26日
周辺知識を強みとするFP・仲和成氏のアドバイス事例を公開!【年金編1】
「自分の年金を自分でつくる」確定拠出年金制度(DC)に戸惑いを感じている人は少なくないと思います。わからないからといって元本確保商品に預けっぱなしにせず、しっかり理解して運用してくださいね。将来的に何百万も違ってきますので。
まずは日本の年金制度を理解しましょう。
まずは、確定拠出年金制度の解説の前に、日本の年金制度について解説します。
日本の年金制度は過去に何度も見直され、非常に複雑になっていますが、少なくとも自分の老後の収入がどこから貰えるのかを押さえる上で、全体像を掴んでおくことが非常に重要です。
年金の支払いを行う機関
- 国が賄う公的年金
- 国民年金(自営業者、厚生年金の無い会社員)
- 厚生年金(会社員)
- 企業が賄う企業年金
- 確定給付企業年金
- 厚生年金基金
- 確定拠出年金
- 適格退職年金
企業年金について
企業年金は上記のように4つに分かれますが、どの制度を採用するかは、その時代の運用環境や法律を考慮し、企業の思惑で決められます。厚生年金加入者は国民年金に加入していることになるため、正確には国民年金からも貰えるようになっています。
国民年金(基礎年金)について
- 20歳から加入可能で加入期間が25年以上必要
- 40年間満額保険料を支払った場合、年間約79万(徐々に増加する仕組み)
- 保険料は地域にバラつきがあり、65歳から支給開始
- 会社員の方(厚生年金加入者)は保険料負担無し
厚生年金について
- 国民年金の受給資格である25年間の保険料支払期間が必要
- 1か月でも厚生年金に加入していれば支給される
- 月収によって保険料や年金額が変動
※会社員時代が60歳までに25年に満たない方は、公的年金そのものを受け取ることができないので、受給資格を満たすように、未納分の国民年金の保険料を支払うことが必要になります。
確定拠出年金について
- 年金原資が、個人ごとの運用実績により変動
- 運用の成果はすべて自己責任
- 60歳~70歳までに請求し、一時金または10年間の年金で受け取る
※確定拠出年金については、運用成果がすべて自己責任である点を十分理解しておく必要があります。年金の公的年金の総額として、概ね150万~200万前後になりますので、これにプラスされる金額が確定拠出年金になるわけです。