【保険営業の心理学Part02】あなたが最後なら有利?保険営業で使える親近効果とは
2020年8月26日
保険営業において、いかに他社の営業マンと差別化を図るかは大切なポイントです。もし他社と似たようなプランを提示してしまったとき、あなたはどうやってその営業マンが出したプランと差別化を図りますか?
第一印象などの人柄ですか?それとも保障内容や保険料ですか?
前回は、アプローチでの第一印象が良ければ、その印象が最後まで響いてクロージングが決まりやすくなるという、いわゆる“初頭効果”について解説しました。今回は、ライバルがたくさんいる中で、あなたを(プランも含め)一番に引き立たせるための心理学の効果、「親近効果」について紹介します。
参考記事:【保険営業の心理学Part 1】アプローチの成功率を飛躍的に上げる“初頭効果”とは
心理学の“親近効果”とは
親近効果とは、アメリカの心理学者であるN・H・アンダーソンによって1976年に行われた実験の中で提唱され、「終末効果」ともいわれています。
「人はたくさんの情報を与えられたとき、最後に与えられた情報が前の情報よりも影響を及ぼす」
アンダーソン氏は模擬裁判の実験の中で、証言の提示順(1.証言を2つ準備 2.証言を6つ準備)で陪審員の判断がどう変わるかを観察し、その結果どちらも最後に提示した証言を提示した側が勝利するという結果になりました。この実験から、人は複数の情報を基に判断する場合、最後に与えられた情報に左右されやすいということがわかりました。
では、この親近効果は保険営業にどのように利用すれば効果的なのでしょうか?
競合他社とバッティングしたら「最後」に提案すると有利
保険営業の中で、競合他社とバッティングしたら、あなたの提案を最後にすることで、親近効果によって商談を有利に進めることができる可能性が高くなります。
- 提案前に先に加入している保険証券を見せてもらう
- 自分の提案前に、競合他社のプランを見せてもらい解説をする
- お客様が競合他社の話を聞く機会がある場合、自分の提案はその後にする
このような方法で、親近効果を利用することができます。
また、複数のプランを準備していくときでも、話す順番は親近効果を利用して決めることもできます。例えば3つのプランを準備するとしたら、本当におすすめのプランは最後に、それと比較できるプランを1番目と2番目に提示すると、最後に提示したプランに決まる確率がぐっと高まります。
「初頭効果」と「親近効果」を使い分けることでさらに成約率アップを狙う
前回ご紹介した、一番印象に残したいことを最初に伝える「初頭効果」と、最後に伝える今回の「親近効果」は、真逆の心理効果です。それぞれにメリットがありますが、上手に使い分けることで、あなたの保険営業の成約率をさらにアップさせることも可能です。
例えば、保険相談に対してまだそこまで真剣ではない人を振り向かせる場合、最初にいきなり保険の難しい話をするよりも、その人の興味があるような情報を提供してあなたに意識を向けさせることが大切ですよね。こういった場合は初頭効果を使うと効果的です。
逆に、最初から保険相談に前向きな人の場合、相手の意識をこちらに向けさせるためのトークなどは最小限にして詳しい説明に入ることができますので、意図的にメイントピックスを最後に持っていく話の流れを作ることができます。こういった場合は親近効果を使うと効果的です。
このように、日々の営業の中で、もしかしたら無意識のうちに親近効果や初頭効果を使っている方もいるかもしれませんね。もしまだ使ったことがないという方は、ぜひ次の営業の機会に使ってみてください。
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- 気まずい空気をつくらないコツ
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