保険営業の心理学

【保険営業の心理学Part31】フット・イン・ザ・ドアを使って短時間でお客様に自然とクロージングをかけて契約をもらう方法

2021年3月19日

いくら契約が欲しいからといって、「はじめまして」の人にいきなり「保険に入ってください」と言えば、ほとんどの人が断られてしまうのは当たり前ですよね。

保険の契約をもらうためには、まずは信頼関係を築くことが大切です。そこで、短時間でお客様との信頼関係を築き、自然とお客様が前向きに契約してくれるようになる方法、「フット・イン・ザ・ドア」について紹介したいと思います。

お客様との信頼関係を短時間で築くことができる「フット・イン・ザ・ドア」とは

「フット・イン・ザ・ドア」とは、物事を一貫性でとらえて関係性を深める心理テクニックのひとつで、セールスマンが玄関のドアを開けて、中に足を運び入れているのが由来です。

保険営業をするとき、いきなり契約を迫るのではなく、まずはお客様をテーブルにつかせることから始めます。人は最初から最後まで一貫性のある(矛盾のない)やり取りを好む傾向がありますので、

  • まずは一度資料をご覧ください
  • 少しだけお話を聞いてください
  • あなたの加入している保険についてお聞かせください
  • あなたの加入している保険証券を見せてください
  • 改善策(ご提案)を見てください
  • あなたにはこちらのほうがぴったりじゃないですか?私にお任せください。

このように、少しずつ着実にお客様に要求を伝えながら、話の流れに一貫性を持って最後のゴール(契約)につなげていきます。これが、保険営業で役に立つ「フット・イン・ザ・ドア」というテクニックです。

先日のコラムでお伝えした「ドア・イン・ザ・フェイス」は、最初に大きな要求をして、本当に伝えたい(少し小さな)要求に応えてもらうものでしたが、これとは反対のものになります。これらを上手に使い分けると良いでしょう。

保険営業で「フット・イン・ザ・ドア」を使うときの注意点

お客様に少しずつ要求を伝えながら話の流れに一貫性を持って最後の契約につなげるのが「フット・イン・ザ・ドア」のテクニックですが、使い方を間違えてしまうと信頼関係を築くどころか不信感を持たれてしまいますので注意が必要です。

例えば、以下のようなことに注意が必要です。

  • たくさん小さな要求をしない
  • 要求に一貫性を持たせる
  • 要求に「差」をつけすぎない

たくさん小さな要求をしない

少しずつ要求をしていく「フット・イン・ザ・ドア」ですが、その要求があまりにも小さいもので、かつそれが多すぎると、お客様は短時間でたくさんの要求を繰り返し受けることになりストレスがかかります。

そこに一貫性はあっても、それを上回る要求の多さに過度なストレスを感じて不信感を抱いてしまいます。要求はお客様の様子を見ながら時間をあけたり日数をあけるなどタイミングを見極めることが大切です。

要求に一貫性を持たせる

徐々にゴールに近づくようにお客様に要求をしていきますが、そもそも要求に一貫性がなければ意味がありません。特にゴール(=契約)であるなら、その直前の要求はゴールに直結する内容である必要があります。

また、スムーズに契約まで要求に応えてもらうためには、ただ要求するだけではなく、要求に応えてもらったら必ず感謝の意を表すことも大切です。目先の目的にばかり目を奪われてしまわないように、お客様に寄り添いながらゴールに向かいましょう。

要求に「差」をつけすぎない

例えば先ほどお伝えした保険営業の際の「要求」の仕方ですが、

  • まずは一度資料をご覧ください
  • 少しだけお話を聞いてください
  • あなたの加入している保険についてお聞かせください
  • あなたの加入している保険証券を見せてください
  • 改善策(ご提案)を見てください
  • あなたにはこちらのほうがぴったりじゃないですか?私にお任せください。

「まずは一度資料をご覧ください」の次に「私にお任せください」に要求をしたら不自然ではないでしょうか。あなたがどんな意図でお客様に接近したのかもわからず、お客様はあなたに大きな不信感を抱いてしまうでしょう。

ゴールを先走るあまり、このような当たり前の段階を踏まずに進むことだけはないように注意しましょう。

「フット・イン・ザ・ドア」と一緒に活用して成約率を高める「SPIN話法」

お客様へ要求を繰り返してゴールを目指す「フット・イン・ザ・ドア」と同じくらいゴールに直結するテクニックがあります。それが「SPIN話法」です。

SPIN話法とは、Situation Questions(状況質問)、Problem Questions(問題質問)、Implication Questions(示唆質問)、Need-Payoff Questions(解決質問)の頭文字からとった、4つの質問攻勢から成り立つ話法です。

場面場面でお客様に効果的な質問をすることで、お客様本人の口から隠れていたニーズを引き出すことができて、お客様自身で契約に向かってもらえるので、無理にクロージングをしなくても契約につながりやすい、次アポが取りやすいというメリットがあります。

こちらのテクニックは、保険マンモスが誇るスキルアップ教材の売上ベスト3にも入る今村浩二FPのDVDに収録されていますので、ご興味のある方はぜひこちらをご覧ください。


お役立ち資料・無料クーポン
ダウンロード